

あらすじ
王都の裏路地で残飯を漁る孤児リーゼの世界は、誰の目にも留まらず、誰にも必要とされない灰色の日々だった。ある日、騎士団の閲兵式で王国最強と囁かれる騎士団長ヴェルナーと一瞬だけ視線が交わる。見られてはいけない存在だと身体が知っていた——はずだった。運命が動いたのは、濡れ衣を着せられ追い詰められた夜。無言で現れた男が差し出したのは、命令ではなく選択肢。訓練場の門をくぐったリーゼを待つのは、蔑みと、そしてあの完璧な男の背中に走る古い傷痕。庇護する者とされる者の距離が溶け始めた矢先、戦雲が二人を引き裂こうとする。


