

あらすじ
肝試しで訪れた築六十年の廃旅館・松影荘。連れの足音は消え、玄関は打ちつけられ、畳の下から湿った息づかいが漏れてくる。鏡越しに覗く女の顔、柱に滑り込む黒い影──ここには十七の死者が囚われていた。現れた霊能者・伊吹は告げる。「供養すれば、一人分の出口が開く」。私は護符を握り、死者たちの記憶を辿り始める。やがて中庭に干された制服が示すのは、この廃墟が血縁に沿って客を選んでいたという事実だった。


肝試しで訪れた築六十年の廃旅館・松影荘。連れの足音は消え、玄関は打ちつけられ、畳の下から湿った息づかいが漏れてくる。鏡越しに覗く女の顔、柱に滑り込む黒い影──ここには十七の死者が囚われていた。現れた霊能者・伊吹は告げる。「供養すれば、一人分の出口が開く」。私は護符を握り、死者たちの記憶を辿り始める。やがて中庭に干された制服が示すのは、この廃墟が血縁に沿って客を選んでいたという事実だった。